是枝裕和監督「誰も知らない」
監督:是枝裕和
出演:柳楽優弥 ほか(2004年 日本)
-最終更新日:2010年11月30日(火)-
復帰後の記事の第一弾は、是枝監督の「誰も知らない」です。皆さんもご存知かと思いますが、タランティーノ氏が審査委員長を務めたカンヌ映画祭で柳楽優弥さんが主演男優賞を獲得したことで有名な映画です。
「巣鴨置き去り事件」を題材としたこの映画は、私が大学院在学時に、ある院生が「児童福祉業界の人間にとっては必見の映画」と位置付けていました。「17歳のカルテ」や「カッコーの巣の上で」が精神医療業界の方にとって必見の映画であるのと同じような理由でしょう。この映画は世界に波紋を広げ、是枝監督の撮影手法が日本映画界に大きなセンセーショナルを及ぼしました。
その柳楽優弥さんは14歳で主演男優賞に選ばれたわけですが、これは彼にとって強いプレッシャーとなったことでしょう。世界で有名な子役には「ホームアローン」のマコーレ・カルキンや「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフがいますが、世界的に有名になった子役は必ず不幸になるというジンクスが業界内にあります。
世界に笑顔を振りまいたマコーレ・カルキンは、両親の離婚など、多くの苦労を経験しました。同様の不幸があってはならないと、クリス・コロンバス監督はラドクリフ少年を当時徹底的に守る発言をしました。同じように是枝監督も柳楽少年を社会の荒波からかなり守っていたのではないかと推察します。当時カンヌの授賞式で定期試験を優先させ、是枝監督自身が受賞席に出席したことなどからもお分かりいただけるかと思います。
お勧めの映画をもう一点。上記の院生から進めてもらった映画である「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」です。この映画を偏見なしに大人の方も見てください。映画のクレヨンしんちゃんシリーズの中で最高傑作であり、涙と感動と笑いの映画です。心の底から爆笑できる映画です。「BALLAD 名もなき恋のうた」に実写化されているあたりからも、その完成度の高さを推察できるかと思います。
この大学院でさまざまな方と出会いましたが、初の博士号取得者がやはり家庭で大きな問題を抱えた女性の方でした。その経験を動機として福祉の研究者を強く志望された方でした。今となっては昔の話ですが、読者の皆さんに、対人援助職に就いていらっしゃる方の多くが、自身の体験によって人助けを強く志望するのだということをご存知いただきたいと思います。
出演:柳楽優弥 ほか(2004年 日本)
-最終更新日:2010年11月30日(火)-
![]() | 誰も知らない [DVD] (2005/03/11) 柳楽優弥 北浦愛 商品詳細を見る |
復帰後の記事の第一弾は、是枝監督の「誰も知らない」です。皆さんもご存知かと思いますが、タランティーノ氏が審査委員長を務めたカンヌ映画祭で柳楽優弥さんが主演男優賞を獲得したことで有名な映画です。
「巣鴨置き去り事件」を題材としたこの映画は、私が大学院在学時に、ある院生が「児童福祉業界の人間にとっては必見の映画」と位置付けていました。「17歳のカルテ」や「カッコーの巣の上で」が精神医療業界の方にとって必見の映画であるのと同じような理由でしょう。この映画は世界に波紋を広げ、是枝監督の撮影手法が日本映画界に大きなセンセーショナルを及ぼしました。
![]() | ホーム・アローン [DVD] (2010/06/25) マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ 他 商品詳細を見る |
![]() | ハリー・ポッターと賢者の石 [DVD] (2006/04/14) ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント 他 商品詳細を見る |
その柳楽優弥さんは14歳で主演男優賞に選ばれたわけですが、これは彼にとって強いプレッシャーとなったことでしょう。世界で有名な子役には「ホームアローン」のマコーレ・カルキンや「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフがいますが、世界的に有名になった子役は必ず不幸になるというジンクスが業界内にあります。
世界に笑顔を振りまいたマコーレ・カルキンは、両親の離婚など、多くの苦労を経験しました。同様の不幸があってはならないと、クリス・コロンバス監督はラドクリフ少年を当時徹底的に守る発言をしました。同じように是枝監督も柳楽少年を社会の荒波からかなり守っていたのではないかと推察します。当時カンヌの授賞式で定期試験を優先させ、是枝監督自身が受賞席に出席したことなどからもお分かりいただけるかと思います。
![]() | 映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 [DVD] (2010/11/26) 矢島晶子 ならはしみき 商品詳細を見る |
お勧めの映画をもう一点。上記の院生から進めてもらった映画である「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」です。この映画を偏見なしに大人の方も見てください。映画のクレヨンしんちゃんシリーズの中で最高傑作であり、涙と感動と笑いの映画です。心の底から爆笑できる映画です。「BALLAD 名もなき恋のうた」に実写化されているあたりからも、その完成度の高さを推察できるかと思います。
この大学院でさまざまな方と出会いましたが、初の博士号取得者がやはり家庭で大きな問題を抱えた女性の方でした。その経験を動機として福祉の研究者を強く志望された方でした。今となっては昔の話ですが、読者の皆さんに、対人援助職に就いていらっしゃる方の多くが、自身の体験によって人助けを強く志望するのだということをご存知いただきたいと思います。
「のだめカンタービレ」より ベートーヴェン交響曲第7番
-最終更新日:2010年11月12日(金)-
まず歴史上10本の指に入るだろう二人の指揮者によるベートーヴェン交響曲第7番を掲載した。筆者は数ある7番の中でこの二つを徹底的に聴き込んでいる。恐らく最高の7番だと思っているからだ。
カラヤン盤はベートーヴェン5番が入っていることもありベストセラーなのは誰でもご存知かもしれない。しかし、クライバー盤は死後に発売されたものである。C.クライバーは生前ほとんど録音を世の中に出さなかった。この演奏もライブであり、その前の4番はレコードとして発売されベストセラーになっている。完全主義がゆえに世の中に出ることを恐れていたという。SACDにリマスタリングされて発売されたこの演奏は、恐らくSACDのクラシックの中でNO.1の売上のはず。この2指揮者のCD、筆者の超お勧めである。
さらに、日本人ならこの人を忘れてはならない。小澤征爾氏によるベートーヴェン7番が収録されたDVDである。この演奏、侮ることなかれ。上記2指揮者によるものに比べて勝るとも劣らない名演である。さらに氏のボストン響最後の演奏であるマーラー交響曲第9番も入っているということは、日本人なら必ず買わなければならないと筆者は断言する。氏の演奏に浸りこんでいる表情を間近で見ることができる貴重なDVDの一つである。
そして、何より日本でベートーヴェン交響曲第7番の演奏機会が増えた原因はこの「のだめカンタービレ」のヒットにある。もともと5番や9番に劣らない曲だったのだが、なぜか日本では7番があまり演奏されることがなかった。テレビドラマで筆者も竹中直人さんが指揮されている部分を見たが、拝むようにドラマを見させていただいたのを覚えている。
話が小学校時代に戻るが、私は喘息を患っていた。親がそれを克服させるためかどうかわからないが、私をスイミングスクールに通わせた。おかげで、当時は鞆の浦の仙酔島で泳いで隣の島まで辿り着くくらい上達できた。しかし、サメの防護ネットが当たり前の今となってはさすがに冷やっとする。このようなこともあり、北島康介選手を尊敬していると言わざるを得ない。氏は、水泳だけでなくあらゆる点で上位を目指して自分に磨きをかけている。広末涼子さんと同じである。常に批判にさらされる中で孤独に練習して一流の結果を出す。ストイックなまでに高められた精神性が一流になる成功の秘訣だろう。日本の若者が模範とすべきお二方である。
![]() | ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92 [Import] (2006/03/06) ベートーヴェン、 商品詳細を見る |
![]() | ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番 (2006/11/08) カラヤン(ヘルベルト・フォン) 商品詳細を見る |
まず歴史上10本の指に入るだろう二人の指揮者によるベートーヴェン交響曲第7番を掲載した。筆者は数ある7番の中でこの二つを徹底的に聴き込んでいる。恐らく最高の7番だと思っているからだ。
カラヤン盤はベートーヴェン5番が入っていることもありベストセラーなのは誰でもご存知かもしれない。しかし、クライバー盤は死後に発売されたものである。C.クライバーは生前ほとんど録音を世の中に出さなかった。この演奏もライブであり、その前の4番はレコードとして発売されベストセラーになっている。完全主義がゆえに世の中に出ることを恐れていたという。SACDにリマスタリングされて発売されたこの演奏は、恐らくSACDのクラシックの中でNO.1の売上のはず。この2指揮者のCD、筆者の超お勧めである。
![]() | NHKクラシカル 小澤征爾 ボストン交響楽団 ベートーベン「交響曲 第7番」 マーラー「交響曲 第9番」 [DVD] (2010/08/27) 小澤征爾ボストン交響楽団 商品詳細を見る |
さらに、日本人ならこの人を忘れてはならない。小澤征爾氏によるベートーヴェン7番が収録されたDVDである。この演奏、侮ることなかれ。上記2指揮者によるものに比べて勝るとも劣らない名演である。さらに氏のボストン響最後の演奏であるマーラー交響曲第9番も入っているということは、日本人なら必ず買わなければならないと筆者は断言する。氏の演奏に浸りこんでいる表情を間近で見ることができる貴重なDVDの一つである。
![]() | 「のだめオーケストラ」LIVE! (2006/11/15) ショパン、 商品詳細を見る |
そして、何より日本でベートーヴェン交響曲第7番の演奏機会が増えた原因はこの「のだめカンタービレ」のヒットにある。もともと5番や9番に劣らない曲だったのだが、なぜか日本では7番があまり演奏されることがなかった。テレビドラマで筆者も竹中直人さんが指揮されている部分を見たが、拝むようにドラマを見させていただいたのを覚えている。
話が小学校時代に戻るが、私は喘息を患っていた。親がそれを克服させるためかどうかわからないが、私をスイミングスクールに通わせた。おかげで、当時は鞆の浦の仙酔島で泳いで隣の島まで辿り着くくらい上達できた。しかし、サメの防護ネットが当たり前の今となってはさすがに冷やっとする。このようなこともあり、北島康介選手を尊敬していると言わざるを得ない。氏は、水泳だけでなくあらゆる点で上位を目指して自分に磨きをかけている。広末涼子さんと同じである。常に批判にさらされる中で孤独に練習して一流の結果を出す。ストイックなまでに高められた精神性が一流になる成功の秘訣だろう。日本の若者が模範とすべきお二方である。
この問題において被害者は何を目的とすべきか 3
~集団ストーカー問題を刑法で扱うには~
-最終更新日:2010年11月11日(木)-
前回、前々回にてこの問題に現実的に対処するにはどうすればいいのかを詳しく述べました。まずそのおさらいからしてみましょう。(下の文章は右のプラグインと同じ内容です。)
この問題において被害者は何を目的とすべきか1
~現行法の対処では限界がある加害行為について~
現行の法制度下では集団ストーカー問題に対応できない。この現実について実際の法律に照らし合わせて考察する。ここでとりあげるのは各都道府県で条例として制定されている「迷惑防止条例」である。一部の集団ストーカーの加害行為には対応できるが、さまざまな制度欠陥があり対応できていないのが現状である。これについて詳しく述べた記事である。
記事はこちら ⇒ 【記事リンク】
この問題において被害者は何を目的とすべきか2
~集団ストーカー問題を未然に防ぐ制度設計の試論1~
では、どのようにしたら集団ストーカー問題の加害行為に対応できるか。一つ前の記事で「迷惑防止条例」を紹介したが、ここではその改正によって対処する方法を考察した。この被害に対処するためには制度疲労した現行の法律では対処できない。新たな制度設計が必要なのである。その他にも刑法で対処する案を盛り込んだが、これは後ほど掘り下げて考察する。被害者で専門知識をお持ちの方はぜひ考えてみていただきたい。
記事はこちら ⇒ 【記事リンク】
このように前回と前々回で掘り下げてここまで考えてみました。今回はこの上に刑法に関する考察を進めてみたいと思います。
ストーカー規制法も刑法であり、条例での対処からより厳しい捜査を可能にしますが、これだけでは不十分です。この被害は、被害者がうつ病などの精神疾患に陥ったり、究極的には経済難や身体的苦痛が重なって自殺するケースすら指摘されています。(NPO法人テクノロジー犯罪被害ネットワークのこちらの講演会の様子をご視聴ください。このページの下の部分のwaveファイルへのリンクの部分です。)
これに対して厳しく社会正義をもって立ち向かうには刑法を適用するよう制度を変えていく必要があります。ここで、どのような刑法に抵触させるべきなのかを列挙してみたいと思います。
①自殺で亡くなられた方への殺人罪の適用
もっとも重いケースですが、加害行為に対して自殺で亡くなられた方の損害が法的に因果関係があるものとして線で結ばれなければなりません。つまり、このような結果に対して殺人罪が適用されるべきということです。
②精神疾患、身体障害を患ってしまった方への傷害罪の適用
さらに、この被害では長期間の集中攻撃よる精神的苦痛によって抑うつ状態になる可能性があります。外因性、つまり環境要因のうつ病のようなものです。私のもっとも被害のひどい時もそのような状態でした。さらに、テクノロジー犯罪によって実際に身体疾患をきたすケースも報告されています。もっともテクノロジー被害がひどいある被害者は、長年の電磁波の照射と考えられる原因によって頭蓋骨が陥没したそうです。これらに対して、傷害罪が適用されなければなりません。
③その他現行の刑法への抵触
その他にも他の刑法に抵触する可能性があります。不法侵入を受けているケースなどです。この犯罪では具体的に金品を盗まずに、家の中のものの配置を変えたりするだけといったケースが目立ちます。これに対して警察は現状ではまともに捜査しません。このような事案に対しても、深刻化を防ぐために不法侵入として摘発されなければなりません。その他、この集団ストーカー問題において適用されるべき法律はたくさんあるはずです。
④電磁波機器取締法(仮)の法律制定
さらに、実際に操作が行われたとしても、テクノロジー犯罪は見えない被害であるために極めて捜査を困難にすると考えられます。これに対して実際に加害行為があったと判断して捜査を行っていては遅きに失します。人命にかかわる問題だからです。従って、加害行為が可能な電磁波危機を所持しているだけで検挙できるような法律を作らなければなりません。過去日本では、一時期火炎瓶による暴行・破壊行為が横行しました。それに対して「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」が制定されるだけで一気に被害がなくなりました。現実とはこのようなものです。迷いなく政治の力でこの法案制定まで一気に行ってほしいものです。
以上、刑法への抵触などについて述べてきました。このうち殺人罪、傷害罪などは現行法でも対処が可能であり、あとは施行規則の改定によって因果関係を認められやすくしたり判例を一度作ってしまえば後に続きます。司法関係者の方に賢明なご判断をしていただくようお願い申し上げたいところです。また電磁波機器取締法(仮)は国会で恐らく議員立法で作成される類のものです。例を挙げるとDV防止法などがそうです。国会議員の方の賢明なご対処をお願いしたいところです。
今回はこのように掘り下げて厳しい刑罰によって対処する案を作成しました。社会が一刻も早くこの動きを察知して続いてほしいと願って末尾とさせていただきたいと思います。
(▼続きを読む▼に8月14日(土)の被害記録を掲載いたします。被害を受けたことがない方にもぜひご覧になって頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。)
-最終更新日:2010年11月11日(木)-
前回、前々回にてこの問題に現実的に対処するにはどうすればいいのかを詳しく述べました。まずそのおさらいからしてみましょう。(下の文章は右のプラグインと同じ内容です。)
この問題において被害者は何を目的とすべきか1
~現行法の対処では限界がある加害行為について~
現行の法制度下では集団ストーカー問題に対応できない。この現実について実際の法律に照らし合わせて考察する。ここでとりあげるのは各都道府県で条例として制定されている「迷惑防止条例」である。一部の集団ストーカーの加害行為には対応できるが、さまざまな制度欠陥があり対応できていないのが現状である。これについて詳しく述べた記事である。
記事はこちら ⇒ 【記事リンク】
この問題において被害者は何を目的とすべきか2
~集団ストーカー問題を未然に防ぐ制度設計の試論1~
では、どのようにしたら集団ストーカー問題の加害行為に対応できるか。一つ前の記事で「迷惑防止条例」を紹介したが、ここではその改正によって対処する方法を考察した。この被害に対処するためには制度疲労した現行の法律では対処できない。新たな制度設計が必要なのである。その他にも刑法で対処する案を盛り込んだが、これは後ほど掘り下げて考察する。被害者で専門知識をお持ちの方はぜひ考えてみていただきたい。
記事はこちら ⇒ 【記事リンク】
このように前回と前々回で掘り下げてここまで考えてみました。今回はこの上に刑法に関する考察を進めてみたいと思います。
ストーカー規制法も刑法であり、条例での対処からより厳しい捜査を可能にしますが、これだけでは不十分です。この被害は、被害者がうつ病などの精神疾患に陥ったり、究極的には経済難や身体的苦痛が重なって自殺するケースすら指摘されています。(NPO法人テクノロジー犯罪被害ネットワークのこちらの講演会の様子をご視聴ください。このページの下の部分のwaveファイルへのリンクの部分です。)
これに対して厳しく社会正義をもって立ち向かうには刑法を適用するよう制度を変えていく必要があります。ここで、どのような刑法に抵触させるべきなのかを列挙してみたいと思います。
①自殺で亡くなられた方への殺人罪の適用
もっとも重いケースですが、加害行為に対して自殺で亡くなられた方の損害が法的に因果関係があるものとして線で結ばれなければなりません。つまり、このような結果に対して殺人罪が適用されるべきということです。
②精神疾患、身体障害を患ってしまった方への傷害罪の適用
さらに、この被害では長期間の集中攻撃よる精神的苦痛によって抑うつ状態になる可能性があります。外因性、つまり環境要因のうつ病のようなものです。私のもっとも被害のひどい時もそのような状態でした。さらに、テクノロジー犯罪によって実際に身体疾患をきたすケースも報告されています。もっともテクノロジー被害がひどいある被害者は、長年の電磁波の照射と考えられる原因によって頭蓋骨が陥没したそうです。これらに対して、傷害罪が適用されなければなりません。
③その他現行の刑法への抵触
その他にも他の刑法に抵触する可能性があります。不法侵入を受けているケースなどです。この犯罪では具体的に金品を盗まずに、家の中のものの配置を変えたりするだけといったケースが目立ちます。これに対して警察は現状ではまともに捜査しません。このような事案に対しても、深刻化を防ぐために不法侵入として摘発されなければなりません。その他、この集団ストーカー問題において適用されるべき法律はたくさんあるはずです。
④電磁波機器取締法(仮)の法律制定
さらに、実際に操作が行われたとしても、テクノロジー犯罪は見えない被害であるために極めて捜査を困難にすると考えられます。これに対して実際に加害行為があったと判断して捜査を行っていては遅きに失します。人命にかかわる問題だからです。従って、加害行為が可能な電磁波危機を所持しているだけで検挙できるような法律を作らなければなりません。過去日本では、一時期火炎瓶による暴行・破壊行為が横行しました。それに対して「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」が制定されるだけで一気に被害がなくなりました。現実とはこのようなものです。迷いなく政治の力でこの法案制定まで一気に行ってほしいものです。
以上、刑法への抵触などについて述べてきました。このうち殺人罪、傷害罪などは現行法でも対処が可能であり、あとは施行規則の改定によって因果関係を認められやすくしたり判例を一度作ってしまえば後に続きます。司法関係者の方に賢明なご判断をしていただくようお願い申し上げたいところです。また電磁波機器取締法(仮)は国会で恐らく議員立法で作成される類のものです。例を挙げるとDV防止法などがそうです。国会議員の方の賢明なご対処をお願いしたいところです。
今回はこのように掘り下げて厳しい刑罰によって対処する案を作成しました。社会が一刻も早くこの動きを察知して続いてほしいと願って末尾とさせていただきたいと思います。
(▼続きを読む▼に8月14日(土)の被害記録を掲載いたします。被害を受けたことがない方にもぜひご覧になって頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。)
エドワード・エルガー 威風堂々
-最終更新日:2010年11月9日(火)-
音楽評論・紹介の次の記事としてエドワード・エルガーの「威風堂々」をとりあげることにした。数あるクラシックの中でこれを選んだのは、イギリスの精神を象徴しているのみならず、すでに日本文化に深く根ざしている曲だからだ。
このCD、SACDとして非常に廉価で親しみやすい。同じシリーズで有名なクラシック曲が網羅されているといっても過言ではない。まさにイギリスのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の大仕事といったところだろうか。そのなかでもこのCDはイギリスを象徴する名曲が多数入っており、これまた超お勧めのCDなのである。有名な「威風堂々」の1番、4番だけでなく、ホルスト「惑星 ジュピター」、グリーンスリーブス幻想曲などがあり、最後はイギリス国歌"God Save the Queen"で締められる。
「威風堂々」は、日本の紅白歌合戦に出場したテノール歌手である秋川雅史さんのCDが有名である。もともと祭典に使われることの多かったこの曲を日本風に焼き直してポピュラーにしてしまった。「千の風になって」でミリオンシングルを記録した秋川さんによる男声独唱が入るだけで引き締まる内容になるのである。
これに加えて以前ご紹介した平原綾香さんの「my Classics2」をご紹介して末尾とさせていただく。このCDの「威風堂々」の日本語歌詞バージョン、個人的に日本人として思わずニヤリとする内容なのである。以前にもこう表現したが、サッカー国際親善試合で日本人選手がイギリス国歌を合唱したらこのようになると考えるのである。平原綾香さんのホルスト「ジュピター」に始まったクラシックのJポップ焼き直し、クラシックファンからすると認知の向上のためにこれほど嬉しいことはないのである。
皆さんはどの曲に思い入れがあるだろうか。このコーナーではさまざまな視点からクラシックをはじめとする音楽をピックアップしていきたいと思っています。お楽しみに。
![]() | Ultimate Last Night of Proms (2006/05/04) Rpo 商品詳細を見る |
音楽評論・紹介の次の記事としてエドワード・エルガーの「威風堂々」をとりあげることにした。数あるクラシックの中でこれを選んだのは、イギリスの精神を象徴しているのみならず、すでに日本文化に深く根ざしている曲だからだ。
このCD、SACDとして非常に廉価で親しみやすい。同じシリーズで有名なクラシック曲が網羅されているといっても過言ではない。まさにイギリスのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の大仕事といったところだろうか。そのなかでもこのCDはイギリスを象徴する名曲が多数入っており、これまた超お勧めのCDなのである。有名な「威風堂々」の1番、4番だけでなく、ホルスト「惑星 ジュピター」、グリーンスリーブス幻想曲などがあり、最後はイギリス国歌"God Save the Queen"で締められる。
「威風堂々」は、日本の紅白歌合戦に出場したテノール歌手である秋川雅史さんのCDが有名である。もともと祭典に使われることの多かったこの曲を日本風に焼き直してポピュラーにしてしまった。「千の風になって」でミリオンシングルを記録した秋川さんによる男声独唱が入るだけで引き締まる内容になるのである。
![]() | 威風堂々 (2005/09/21) 秋川雅史 半田美和子 商品詳細を見る |
これに加えて以前ご紹介した平原綾香さんの「my Classics2」をご紹介して末尾とさせていただく。このCDの「威風堂々」の日本語歌詞バージョン、個人的に日本人として思わずニヤリとする内容なのである。以前にもこう表現したが、サッカー国際親善試合で日本人選手がイギリス国歌を合唱したらこのようになると考えるのである。平原綾香さんのホルスト「ジュピター」に始まったクラシックのJポップ焼き直し、クラシックファンからすると認知の向上のためにこれほど嬉しいことはないのである。
![]() | my Classics2 (2010/06/09) 平原綾香 平原綾香 & 藤澤ノリマサ 商品詳細を見る |
皆さんはどの曲に思い入れがあるだろうか。このコーナーではさまざまな視点からクラシックをはじめとする音楽をピックアップしていきたいと思っています。お楽しみに。
レナード・バーンスタインの魂
-最終更新日:2010年11月6日(土)-
新たに「音楽評論・紹介」のカテゴリを設けることにしました。最初の記事はオムニバス記事(3)の二つのコラムで構成されています。今後さまざまなCDなどをご紹介していきたいと考えています。このコーナーもよろしくお願いします。
まず、世界最高峰の「エグモント序曲」が収録されているCDをピックアップ。ジョージ・セルのこのCD、評価の高いCDで、この「エグモント序曲」だけではなく、その後のベートーヴェン交響曲第5番「運命」も素晴らしい演奏を聞かせてくれるCDです。ぜひ一度ご視聴されてみてはいかがでしょうか。筆者一押しのCDです。
また、アメリカの指揮者にちなんでもう一枚。レナード・バーンスタインが1966年にウィーンフィルで演奏した「大地の歌」です。これは第二楽章が男声という異色の構成ではあるものの、極めてダイナミックな演奏を聞かせてくれます。筆者はこれを聞いたときに強い感動を覚えました。まったくバーンスタイン氏は以前取り上げた「新世界」など、当時はどんなスペクタクルを聞かせてくれる指揮者だったのでしょう。日本では、佐渡裕氏がバーンスタイン氏に師事していたことで有名ですが、やはりシエナ・ウィンド・オーケストラで凄まじいブラスの演奏を聞かせてくれます。
筆者は所有しているクラシックのかなり多くが海外版です。種類が多いうえに安いからです。HMVやAmazonで検索すると日本でも非常に購入しやすい時代となりました。マニュアルが外国語で多少不便ですが、収録されている音は基本的に同じです。中には海外版でしか手に入らないものもあります。この日に掲載したジョージ・セルとバーンスタインのCDを海外版で掲載したのは、クラシックファンは海外版まで手を伸ばすということを知っていただくためです。このCDはいずれも非常に廉価です。恐らく、同曲のなかでも最高峰の演奏を聞かせてくれると思います。クラシックに興味をもたれた方、いかがでしょうか?
次に、筆者のオーディオ環境に少しだけ触れたいと思います。まずは下の画像をご覧ください。

[システム構成]
LR Speaker TANNOY Turnberry/SE
CD/SACD Player① Marantz SA-15S1
CD/SACD Player② Playstation3 初期型 60G
AV Amplifier Marantz SR6004
Power Amplifier EL SOUND EPWS-5V
何を申し上げたいかというと、PlayStation3 初期型 60G のCD/SACDトランスポートとしての優秀さです。
世の中にはかなりオーディオにお金をかける人がいます。自分もその一人ですが、貧乏サラリーマンでいい音を聞こうと思ったら苦労をします。この構成を見ていただいたらお分かりのように、スピーカーばかりにお金がかかっています。
アンプとプレイヤーにお金をかけることができない分、少し工夫をしてみました。CDトランスポートとしてPlayStation3、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)&プリアンプとしてMarantz SR6004、パワーアンプとしてEL SOUNDのEPWS-5Vという構成です。この3つで、スピーカー片方の値段の半値程度です。
これだけでも、相当な音がします。通常のオーディオ機器からすると少し操作に不便を覚えますが、音は一流です。これは、PlayStation3 初期型 60G のSACD/CDトランスポートとしての優秀さに起因しています。家庭用としてハイスペックPC並に高性能なCellでアップコンバートするからです。最近ではハイスペックPCで正確なリッピングを行って高品位な音を実現する人が増えていますが、手ごろさと価格からしてPlayStation3の優位性はずば抜けているでしょう。ただし、HDMI接続や光接続を必要とするために、素人がなかなか手を出しにくいのが難点でしょうか。SONYには、初期型についていたSACD機能を復活させてほしいところです。なお、Cellチップが優れていることは、アメリカ空軍が昨年PlayStation3を2500台購入してスーパーコンピューターを作成しているところから想像していただけると思います。
常識では考えられない組み合わせですが、これをTANNOYで鳴らすのがツボにはまっています。最新のプレステージシリーズはこれまでのTANNOYのようにクラシックオンリーというわけではなく、あらゆるジャンルをハイスペックに鳴らす能力をもっています。多分これでRadioheadを聞いたときの迫力は想像つかないんじゃないかと思いつつ聴き入っています。
なお、筆者は個人収入はこの被害を受けており貧乏サラリーマン以下ですが、同じように貧乏な時代に福田康夫元首相はオーディオを趣味とされていました。趣味として内向的でなかなか認知されないオーディオの趣味を、福田元首相がお持ちだということは個人的に嬉しい限りです。このオーディオ趣味に高じて聞いたさまざまな名曲を今後ご紹介していきたいと思っています。
(プレイステーション3を使って高品位な音質を楽しむのは難しいですから、いろいろネットを検索してみて試してみられることをお勧めします。また、オーディオに関する個人的なご質問にはお答えしかねます。容赦いただけますと幸いです。)
新たに「音楽評論・紹介」のカテゴリを設けることにしました。最初の記事はオムニバス記事(3)の二つのコラムで構成されています。今後さまざまなCDなどをご紹介していきたいと考えています。このコーナーもよろしくお願いします。
![]() | Piano Cto #3 / Sym #5 / Egmont Over Op.67 (1998/11/01) Beethoven Emil Gilels 商品詳細を見る |
まず、世界最高峰の「エグモント序曲」が収録されているCDをピックアップ。ジョージ・セルのこのCD、評価の高いCDで、この「エグモント序曲」だけではなく、その後のベートーヴェン交響曲第5番「運命」も素晴らしい演奏を聞かせてくれるCDです。ぜひ一度ご視聴されてみてはいかがでしょうか。筆者一押しのCDです。
![]() | Mahler: Das Lied von der Erde / Bernstein, Vienna Philharmonic Orchestra (1999/09/14) Vienna Philharmonic Orchestra 商品詳細を見る |
また、アメリカの指揮者にちなんでもう一枚。レナード・バーンスタインが1966年にウィーンフィルで演奏した「大地の歌」です。これは第二楽章が男声という異色の構成ではあるものの、極めてダイナミックな演奏を聞かせてくれます。筆者はこれを聞いたときに強い感動を覚えました。まったくバーンスタイン氏は以前取り上げた「新世界」など、当時はどんなスペクタクルを聞かせてくれる指揮者だったのでしょう。日本では、佐渡裕氏がバーンスタイン氏に師事していたことで有名ですが、やはりシエナ・ウィンド・オーケストラで凄まじいブラスの演奏を聞かせてくれます。
![]() | ブラスの祭典 (1999/11/25) シエナ・ウインド・オーケストラ 商品詳細を見る |
筆者は所有しているクラシックのかなり多くが海外版です。種類が多いうえに安いからです。HMVやAmazonで検索すると日本でも非常に購入しやすい時代となりました。マニュアルが外国語で多少不便ですが、収録されている音は基本的に同じです。中には海外版でしか手に入らないものもあります。この日に掲載したジョージ・セルとバーンスタインのCDを海外版で掲載したのは、クラシックファンは海外版まで手を伸ばすということを知っていただくためです。このCDはいずれも非常に廉価です。恐らく、同曲のなかでも最高峰の演奏を聞かせてくれると思います。クラシックに興味をもたれた方、いかがでしょうか?
次に、筆者のオーディオ環境に少しだけ触れたいと思います。まずは下の画像をご覧ください。

[システム構成]
LR Speaker TANNOY Turnberry/SE
CD/SACD Player① Marantz SA-15S1
CD/SACD Player② Playstation3 初期型 60G
AV Amplifier Marantz SR6004
Power Amplifier EL SOUND EPWS-5V
何を申し上げたいかというと、PlayStation3 初期型 60G のCD/SACDトランスポートとしての優秀さです。
世の中にはかなりオーディオにお金をかける人がいます。自分もその一人ですが、貧乏サラリーマンでいい音を聞こうと思ったら苦労をします。この構成を見ていただいたらお分かりのように、スピーカーばかりにお金がかかっています。
アンプとプレイヤーにお金をかけることができない分、少し工夫をしてみました。CDトランスポートとしてPlayStation3、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)&プリアンプとしてMarantz SR6004、パワーアンプとしてEL SOUNDのEPWS-5Vという構成です。この3つで、スピーカー片方の値段の半値程度です。
これだけでも、相当な音がします。通常のオーディオ機器からすると少し操作に不便を覚えますが、音は一流です。これは、PlayStation3 初期型 60G のSACD/CDトランスポートとしての優秀さに起因しています。家庭用としてハイスペックPC並に高性能なCellでアップコンバートするからです。最近ではハイスペックPCで正確なリッピングを行って高品位な音を実現する人が増えていますが、手ごろさと価格からしてPlayStation3の優位性はずば抜けているでしょう。ただし、HDMI接続や光接続を必要とするために、素人がなかなか手を出しにくいのが難点でしょうか。SONYには、初期型についていたSACD機能を復活させてほしいところです。なお、Cellチップが優れていることは、アメリカ空軍が昨年PlayStation3を2500台購入してスーパーコンピューターを作成しているところから想像していただけると思います。
常識では考えられない組み合わせですが、これをTANNOYで鳴らすのがツボにはまっています。最新のプレステージシリーズはこれまでのTANNOYのようにクラシックオンリーというわけではなく、あらゆるジャンルをハイスペックに鳴らす能力をもっています。多分これでRadioheadを聞いたときの迫力は想像つかないんじゃないかと思いつつ聴き入っています。
![]() | Ok Computer (1997/06/16) Radiohead 商品詳細を見る |
なお、筆者は個人収入はこの被害を受けており貧乏サラリーマン以下ですが、同じように貧乏な時代に福田康夫元首相はオーディオを趣味とされていました。趣味として内向的でなかなか認知されないオーディオの趣味を、福田元首相がお持ちだということは個人的に嬉しい限りです。このオーディオ趣味に高じて聞いたさまざまな名曲を今後ご紹介していきたいと思っています。
(プレイステーション3を使って高品位な音質を楽しむのは難しいですから、いろいろネットを検索してみて試してみられることをお勧めします。また、オーディオに関する個人的なご質問にはお答えしかねます。容赦いただけますと幸いです。)
五体不満足
-最終更新日:2010年11月6日(土)-
最後に、本日の読売新聞の34面に乙武洋匡さんのインタビューがありましたので、これについて最後に記事を書きたいと思います。
筆者が大学のころに出版された「五体不満足」は、当時大きなセンセーショナルを日本に巻き起こしました。筆者も全文読んだのを覚えています。乙武さんは今日の読売新聞のインタビューでこう述べています。「僕は両親や学校、近所に恵まれていた」。確かにそうかもしれません。しかし、私にはそれ以上に明るさを世間にふるまう乙武さんの精神的な強さがあるのではないかと思います。
私も自身の家族の闇から福祉の世界を志しましたが、一般に世間にアウトプットされている情報というのは「きれいな情報」で、何らかの問題を抱えた本人やその家族の実際の苦労というものはなかなかアウトプットされません。そして、それがどれだけ辛くこらえなければならないものであるかも私なりに知っています。
乙武さんも、通常の人が経験しない苦労を人一倍経験されているはずです。それを表に出さないで笑顔で人々に希望をもたらす存在がどれだけ大変か。乙武さんの話をこの問題に転嫁して非常に申し訳ないですが、「集団ストーカー」の被害者も同じ苦しみを抱えています。そして、私なりにそれをできるだけ社会に訴えていかなければならないと思っています。
最後に、乙武さんが教師になるまでの胸の内を書いた著書を紹介して末尾とさせていただきたいと思います。
![]() | 五体不満足 完全版 (講談社文庫) (2001/04/04) 乙武 洋匡 商品詳細を見る |
最後に、本日の読売新聞の34面に乙武洋匡さんのインタビューがありましたので、これについて最後に記事を書きたいと思います。
筆者が大学のころに出版された「五体不満足」は、当時大きなセンセーショナルを日本に巻き起こしました。筆者も全文読んだのを覚えています。乙武さんは今日の読売新聞のインタビューでこう述べています。「僕は両親や学校、近所に恵まれていた」。確かにそうかもしれません。しかし、私にはそれ以上に明るさを世間にふるまう乙武さんの精神的な強さがあるのではないかと思います。
私も自身の家族の闇から福祉の世界を志しましたが、一般に世間にアウトプットされている情報というのは「きれいな情報」で、何らかの問題を抱えた本人やその家族の実際の苦労というものはなかなかアウトプットされません。そして、それがどれだけ辛くこらえなければならないものであるかも私なりに知っています。
乙武さんも、通常の人が経験しない苦労を人一倍経験されているはずです。それを表に出さないで笑顔で人々に希望をもたらす存在がどれだけ大変か。乙武さんの話をこの問題に転嫁して非常に申し訳ないですが、「集団ストーカー」の被害者も同じ苦しみを抱えています。そして、私なりにそれをできるだけ社会に訴えていかなければならないと思っています。
最後に、乙武さんが教師になるまでの胸の内を書いた著書を紹介して末尾とさせていただきたいと思います。
![]() | だから、僕は学校へ行く! (2007/03/27) 乙武 洋匡 商品詳細を見る |
アンドレイ・タルコフスキー監督「サクリファイス」 (2010評)
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:エルランド・ヨセフソン スーザン・フリートウッド 他
(1986年 スウェーデン・フランス)
-最終更新日:2010年11月4日(木)-
今回はこの難解な映画に挑戦してみたいと思います。私が映画を見たなかでも最も芸術的で美しいと感じてきたのがロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督です。同監督は「惑星ソラリス」や「鏡」、「ノスタルジア」など数々の名作を撮影していますが、私はこの「サクリファイス」が一番分かりやすく心に残っています。今回はこの作品にチャレンジしてみたいと思います。
舞台はスカンジナビア半島のスウェーデン。舞台俳優の名声を捨てたアレクサンデルは妻のアデライデらと暮らしている。冒頭にバッハの「マタイ受難曲」が流れた後、アレクサンデルが木を植えるシーンから始まる。喉の手術をして口がきけない息子が寄り添い、アレクサンデルの言葉に耳を傾ける。アレクサンデルは、ある修道士が3年間枯れた木に水をやり続けて甦らせた話をその"子供"に聞かせる。このようなシーンから映画は始まる。
タルコフスキー監督はロシア出身ですが、晩年はスウェーデンでこの映画を撮影していました。映画の終始に核兵器に対する反対のメッセージが込められていて、作品を通底しています。核戦争の恐怖におののく家族ですが、主人公のアレクサンデルは愛する者が救われるようにと願いを込めて「犠牲=サクリファイス」を捧げます。その犠牲とは何なのでしょうか。実際にご覧になって確かめていただきたいと思います。
今10年ぶりくらいでしょうか。この作品のDVDを鑑賞しています。解像度が高いとかそのような意味ではなく、恐らく至上最も美しい詩的な映像美を誇る監督の作品です。この映画においても北欧特有の描写が美し過ぎます。例えば、途中から白夜の中でのモノクロに近いシーンが続きますが、陰影が極めてくっきりと浮かび上がるようで、むしろこの方が人間の生々しさが強調されています。
さらに、タルコフスキー監督は、独特の映像言語で映画を構成することで有名です。その映像言語は水の表現に際立って現れています。映画の途中に廃墟となった街のシーンが挿入されますが、そこで荒れ果てた横断歩道に水が流れます。この他にも火や雨といったシーンを効果的に織り交ぜることで哲学的な意味を付与させています。なお、黒澤明監督の「夢」のラストに水面に藻がたゆたうシーンがありますが、これは個人的にタルコフスキー監督へのオマージュなのではないかと学生時代に考えていました。
タルコフスキー監督は日本の黒澤明監督の作品に傾倒していたとされ、数々のエピソードが残されています。例えば、惑星ソラリスの未来都市の場面は東京の首都高速であり、タルコフスキー監督が泊まっていたホテルから黒澤監督の事務所までの道のりと言われています。また、音楽家の武満徹氏は同監督に対するオマージュとして弦楽合奏曲「ノスタルジア」を作曲しました。まさに芸術は国際的な壁をいともたやすく乗り越えるのです。
最後に、ロシアの芸術的な音楽を、なぜこれをもっと早く聴かなかったのかという私のエピソードをご紹介します。自分は今ではかなりのクラシックファンですが、現在でも反抗期なのか、父や母の聞いたものは絶対に聞かないという癖がついてしまっています。母は大学時代にショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴いて、それ以来一番好きな曲になったそうです。勿体ないことに、自分はこれを長い間聴いていませんでした。
ようやく聴いてみて、その演奏に驚きました。やはり現在活躍中の世界屈指の指揮者であると実感した次第です。氏は豪快な演奏で有名ですが、この演奏を聴かない自分は相当な損をしていたことになります。日本でもおなじみの指揮者で、NHK交響楽団にも客演のために来日しています。そういえば、日本のバレリストの留学先の第一候補はロシアと相場が決まっていますし、マリインスキー劇場管弦楽団の来演コマーシャルを目にされたことがある方も多いのではないかと思います。
どうも偏向の強い筆者のクラシック趣味ですが、ゲルギエフ氏を検索したら「シェエラザード」では世界的に名演のCDがあったり、近年ではマーラーの録音を順次開始しているようです。マーラーと言えばテンシュテットと決め込んでいましたが、一度は聞いておかなければならないと思っている昨今です。
出演:エルランド・ヨセフソン スーザン・フリートウッド 他
(1986年 スウェーデン・フランス)
-最終更新日:2010年11月4日(木)-
![]() | サクリファイス スペシャル・エディション (2枚組) [DVD] (2010/09/25) エルランド・ヨセフソン スーザン・フリートウッド 商品詳細を見る |
今回はこの難解な映画に挑戦してみたいと思います。私が映画を見たなかでも最も芸術的で美しいと感じてきたのがロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督です。同監督は「惑星ソラリス」や「鏡」、「ノスタルジア」など数々の名作を撮影していますが、私はこの「サクリファイス」が一番分かりやすく心に残っています。今回はこの作品にチャレンジしてみたいと思います。
舞台はスカンジナビア半島のスウェーデン。舞台俳優の名声を捨てたアレクサンデルは妻のアデライデらと暮らしている。冒頭にバッハの「マタイ受難曲」が流れた後、アレクサンデルが木を植えるシーンから始まる。喉の手術をして口がきけない息子が寄り添い、アレクサンデルの言葉に耳を傾ける。アレクサンデルは、ある修道士が3年間枯れた木に水をやり続けて甦らせた話をその"子供"に聞かせる。このようなシーンから映画は始まる。
タルコフスキー監督はロシア出身ですが、晩年はスウェーデンでこの映画を撮影していました。映画の終始に核兵器に対する反対のメッセージが込められていて、作品を通底しています。核戦争の恐怖におののく家族ですが、主人公のアレクサンデルは愛する者が救われるようにと願いを込めて「犠牲=サクリファイス」を捧げます。その犠牲とは何なのでしょうか。実際にご覧になって確かめていただきたいと思います。
今10年ぶりくらいでしょうか。この作品のDVDを鑑賞しています。解像度が高いとかそのような意味ではなく、恐らく至上最も美しい詩的な映像美を誇る監督の作品です。この映画においても北欧特有の描写が美し過ぎます。例えば、途中から白夜の中でのモノクロに近いシーンが続きますが、陰影が極めてくっきりと浮かび上がるようで、むしろこの方が人間の生々しさが強調されています。
さらに、タルコフスキー監督は、独特の映像言語で映画を構成することで有名です。その映像言語は水の表現に際立って現れています。映画の途中に廃墟となった街のシーンが挿入されますが、そこで荒れ果てた横断歩道に水が流れます。この他にも火や雨といったシーンを効果的に織り交ぜることで哲学的な意味を付与させています。なお、黒澤明監督の「夢」のラストに水面に藻がたゆたうシーンがありますが、これは個人的にタルコフスキー監督へのオマージュなのではないかと学生時代に考えていました。
![]() | 惑星ソラリス [DVD] (1998/09/25) ナタリヤ・ボンダルチュク 商品詳細を見る |
![]() | ノスタルジア [DVD] (2002/11/22) オレーグ・ヤンコフスキー エルランド・ヨセフソン 商品詳細を見る |
タルコフスキー監督は日本の黒澤明監督の作品に傾倒していたとされ、数々のエピソードが残されています。例えば、惑星ソラリスの未来都市の場面は東京の首都高速であり、タルコフスキー監督が泊まっていたホテルから黒澤監督の事務所までの道のりと言われています。また、音楽家の武満徹氏は同監督に対するオマージュとして弦楽合奏曲「ノスタルジア」を作曲しました。まさに芸術は国際的な壁をいともたやすく乗り越えるのです。
最後に、ロシアの芸術的な音楽を、なぜこれをもっと早く聴かなかったのかという私のエピソードをご紹介します。自分は今ではかなりのクラシックファンですが、現在でも反抗期なのか、父や母の聞いたものは絶対に聞かないという癖がついてしまっています。母は大学時代にショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴いて、それ以来一番好きな曲になったそうです。勿体ないことに、自分はこれを長い間聴いていませんでした。
![]() | ショスタコーヴィチ:交響曲第5&9番 (2009/05/20) キーロフ歌劇場管弦楽団 ゲルギエフ(ワレリー) 商品詳細を見る |
ようやく聴いてみて、その演奏に驚きました。やはり現在活躍中の世界屈指の指揮者であると実感した次第です。氏は豪快な演奏で有名ですが、この演奏を聴かない自分は相当な損をしていたことになります。日本でもおなじみの指揮者で、NHK交響楽団にも客演のために来日しています。そういえば、日本のバレリストの留学先の第一候補はロシアと相場が決まっていますし、マリインスキー劇場管弦楽団の来演コマーシャルを目にされたことがある方も多いのではないかと思います。
![]() | R.コルサコフ:シェーエラザード、他 (2009/05/20) キーロフ歌劇場管弦楽団 ゲルギエフ(ワレリー) 商品詳細を見る |
![]() | マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」 (2008/11/26) ゲルギエフ(ワレリー) 商品詳細を見る |
どうも偏向の強い筆者のクラシック趣味ですが、ゲルギエフ氏を検索したら「シェエラザード」では世界的に名演のCDがあったり、近年ではマーラーの録音を順次開始しているようです。マーラーと言えばテンシュテットと決め込んでいましたが、一度は聞いておかなければならないと思っている昨今です。
自由と繁栄の弧
麻生太郎氏、「自由と繁栄の弧」一考
-最終更新日:2010年11月5日(金)-
この書籍、私がサラリーマン時代に出会ったIBM系のコンサルティングに勧められた書籍である。当時、麻生太郎氏の総理大臣就任が確実視されていたころだったと思う。筆者は早速本屋に出向いて購入した。読んでみて、氏の外務大臣時代の豊富な経験から日本のあるべき外交戦略を導き出しておられ、非常に読みごたえがあったのを覚えている。麻生氏の独特の言葉遣いが文章に反映されており、親しみをもって読める内容になっている。
このような言い方をすると麻生氏に失礼なのだが、麻生氏は私のようなオタクにとって神様のような存在なのである。筆者にかなり深刻なオタ属性があるのはこれまでに読んで薄々感づかれているのではないかと思う。筆者は、これだけサブカルチャーに良質なコンテンツがたくさんある日本において、なぜその輸出がうまくいかないのかもどかしいのである。
日本はほかにも一流の技術をもちながら輸出がうまくいかないケースが多い。前回触れたように、技術はあるのだが世界標準がなかなか作れないのである。これは理系の方にはほとんど責任がない。コンテンツ輸出における戦略性に乏しいのである。そのために国際特許の取得という意味においても出遅れている。
例を挙げてみよう。初期型プレイステーション3 60Gバージョンである。これには目玉のSACD機能がついている。これを侮ることなかれ、CELLの圧倒的な処理能力で出力されるデジタルアウトの音質は下手なピュアCDプレイヤーを凌駕するのである。しかし、結局普及化のためにこの機能が削られた。何とも惜しいとしか言いようがないのである。(筆者は必ず将来この技術をソニーが生かす時が来ると思っています!!)
このように、日本はコンテンツ輸出に弱みを持っている。そのためにはどうすればいいか。「日本企業のガラパゴス化」において触れたように、トッププレイヤーに破格の待遇で企業内において処遇するほかないのである。例えば特許の面においては弁理士が活躍するだろう。海外戦略のためには英語も不可欠である。楽天の社内における英語標準語化はその先駆的な試みだろう。このように、日本に様々な人事制度の特色をもった企業が共存しなければならないのである。世界標準が生みだす土壌はここにあるのである。
最後に、上の広告はハードカバー版で定価が高いものである。装飾が美しいのと筆者が購入したのがこちらなので、ハードカバー版を持ってきた。今では、下記のような文庫版もある。ぜひご覧になって頂ければと思う。
【2010年11月4日(木)】
日本のコンテンツ輸出として近年もっとも成功しているのがプロ野球選手のメジャーリーグ移籍である。すでに国内のプロの実績がメジャーリーグの登竜門になりつつある。当然、選手にとってはできるだけ国内で実績をあげて、早くに移籍したいという気持ちに駆られるだろう。
たとえば巨人の上原投手も移籍したのが晩年になってからである。これは巨人でこれだけ活躍したことに対する温情という意味合いが強かった。それがいざ移籍してみると今年は大活躍だ。上原投手にとってはこの上ない気持ちだろう。
同様に、メジャーリーグに挑戦する実力があるのになかなか行けない選手もいる。ダルビッシュ投手がそうだろう。若くして将来を有望され、非常に堅苦しい生活を送らざるを得なかったに違いない。ワールド・ベースボール・クラシックでも大きな活躍をした彼に、日本人を上げてメジャーリーグに挑戦することを応援してほしいと筆者は願うのである。
-最終更新日:2010年11月5日(金)-
![]() | 自由と繁栄の弧 (2007/06) 麻生 太郎 商品詳細を見る |
この書籍、私がサラリーマン時代に出会ったIBM系のコンサルティングに勧められた書籍である。当時、麻生太郎氏の総理大臣就任が確実視されていたころだったと思う。筆者は早速本屋に出向いて購入した。読んでみて、氏の外務大臣時代の豊富な経験から日本のあるべき外交戦略を導き出しておられ、非常に読みごたえがあったのを覚えている。麻生氏の独特の言葉遣いが文章に反映されており、親しみをもって読める内容になっている。
このような言い方をすると麻生氏に失礼なのだが、麻生氏は私のようなオタクにとって神様のような存在なのである。筆者にかなり深刻なオタ属性があるのはこれまでに読んで薄々感づかれているのではないかと思う。筆者は、これだけサブカルチャーに良質なコンテンツがたくさんある日本において、なぜその輸出がうまくいかないのかもどかしいのである。
日本はほかにも一流の技術をもちながら輸出がうまくいかないケースが多い。前回触れたように、技術はあるのだが世界標準がなかなか作れないのである。これは理系の方にはほとんど責任がない。コンテンツ輸出における戦略性に乏しいのである。そのために国際特許の取得という意味においても出遅れている。
例を挙げてみよう。初期型プレイステーション3 60Gバージョンである。これには目玉のSACD機能がついている。これを侮ることなかれ、CELLの圧倒的な処理能力で出力されるデジタルアウトの音質は下手なピュアCDプレイヤーを凌駕するのである。しかし、結局普及化のためにこの機能が削られた。何とも惜しいとしか言いようがないのである。(筆者は必ず将来この技術をソニーが生かす時が来ると思っています!!)
このように、日本はコンテンツ輸出に弱みを持っている。そのためにはどうすればいいか。「日本企業のガラパゴス化」において触れたように、トッププレイヤーに破格の待遇で企業内において処遇するほかないのである。例えば特許の面においては弁理士が活躍するだろう。海外戦略のためには英語も不可欠である。楽天の社内における英語標準語化はその先駆的な試みだろう。このように、日本に様々な人事制度の特色をもった企業が共存しなければならないのである。世界標準が生みだす土壌はここにあるのである。
最後に、上の広告はハードカバー版で定価が高いものである。装飾が美しいのと筆者が購入したのがこちらなので、ハードカバー版を持ってきた。今では、下記のような文庫版もある。ぜひご覧になって頂ければと思う。
![]() | 自由と繁栄の弧 (幻冬舎文庫) (2008/09) 麻生 太郎 商品詳細を見る |
【2010年11月4日(木)】
日本のコンテンツ輸出として近年もっとも成功しているのがプロ野球選手のメジャーリーグ移籍である。すでに国内のプロの実績がメジャーリーグの登竜門になりつつある。当然、選手にとってはできるだけ国内で実績をあげて、早くに移籍したいという気持ちに駆られるだろう。
たとえば巨人の上原投手も移籍したのが晩年になってからである。これは巨人でこれだけ活躍したことに対する温情という意味合いが強かった。それがいざ移籍してみると今年は大活躍だ。上原投手にとってはこの上ない気持ちだろう。
同様に、メジャーリーグに挑戦する実力があるのになかなか行けない選手もいる。ダルビッシュ投手がそうだろう。若くして将来を有望され、非常に堅苦しい生活を送らざるを得なかったに違いない。ワールド・ベースボール・クラシックでも大きな活躍をした彼に、日本人を上げてメジャーリーグに挑戦することを応援してほしいと筆者は願うのである。
新藤兼人監督「原爆の子」
監督:新藤兼人
出演:乙羽信子 細川ちか子 清水将夫 滝沢修 ほか(1952年 日本)
-最終更新日:2010年11月1日(月)-
昨日、新藤兼人監督の「一枚のハガキ」が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。これに触発され、手元に監督の名作「原爆の子」のDVDがあるので、記事を書かせて頂くことにした。
新藤兼人監督は、以前NHKニュースウォッチ9で特集を組まれていたのを見た覚えがある。100歳近くまで映画監督を続けられ、さまざまな名作を生み出してきたことに対するものだろう。その時の番組では、この「原爆の子」が紹介されていたのを覚えている。今年の5月か、6月ごろの番組だったろうか。大越キャスターと青山キャスターが報じたのを覚えている。ニュースでは、戦後の原爆に対するタブーが強く、それを押して公開したものであると紹介されていた。
今、この映画を見ながら記事を書いているが、モノクロながら登場人物が非常に生きいきと演じているのがわかる。当時は、黒澤明監督や小津安二郎監督が戦後の社会を牽引するように映画を撮影していた。新藤監督もその一人である。自分は日本にいながら情けないことに日本映画の古典をあまり見ていない。以後はこれらに対する挑戦も課題になってくるだろう。
この映画の原爆投下のシーンに差し掛かったが、凄まじい描写である。VFXとかそういうのではなく、当時の撮影技術でこれだけ胸に突き刺さるような描写はなかなかできない。本当に渾身の力を込めて撮影したのが素人でもわかる。一体、当時どれだけの人がこれを見たのだろうか。原爆被害者の方々の二次差別は酷かったと聞く。そのために、この映画は光のようなものだったのだろう。
自分みたいな戦争の苦労を知らない人間が論じるにはあまりにも筆の力が不足している。戦前から日本の姿をその目で見てこられた新藤兼人監督の映画、今こそこの時代を乗り越えるために注目されるべきと考える。
【2010年11月5日(金)】
当初にNHK9と表記していましたが、NHKニュースウォッチ9の間違いでした。重ねてお詫びを申し上げます。
出演:乙羽信子 細川ちか子 清水将夫 滝沢修 ほか(1952年 日本)
-最終更新日:2010年11月1日(月)-
![]() | 原爆の子 [DVD] (2001/07/10) 乙羽信子 滝沢修 商品詳細を見る |
昨日、新藤兼人監督の「一枚のハガキ」が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。これに触発され、手元に監督の名作「原爆の子」のDVDがあるので、記事を書かせて頂くことにした。
新藤兼人監督は、以前NHKニュースウォッチ9で特集を組まれていたのを見た覚えがある。100歳近くまで映画監督を続けられ、さまざまな名作を生み出してきたことに対するものだろう。その時の番組では、この「原爆の子」が紹介されていたのを覚えている。今年の5月か、6月ごろの番組だったろうか。大越キャスターと青山キャスターが報じたのを覚えている。ニュースでは、戦後の原爆に対するタブーが強く、それを押して公開したものであると紹介されていた。
今、この映画を見ながら記事を書いているが、モノクロながら登場人物が非常に生きいきと演じているのがわかる。当時は、黒澤明監督や小津安二郎監督が戦後の社会を牽引するように映画を撮影していた。新藤監督もその一人である。自分は日本にいながら情けないことに日本映画の古典をあまり見ていない。以後はこれらに対する挑戦も課題になってくるだろう。
この映画の原爆投下のシーンに差し掛かったが、凄まじい描写である。VFXとかそういうのではなく、当時の撮影技術でこれだけ胸に突き刺さるような描写はなかなかできない。本当に渾身の力を込めて撮影したのが素人でもわかる。一体、当時どれだけの人がこれを見たのだろうか。原爆被害者の方々の二次差別は酷かったと聞く。そのために、この映画は光のようなものだったのだろう。
自分みたいな戦争の苦労を知らない人間が論じるにはあまりにも筆の力が不足している。戦前から日本の姿をその目で見てこられた新藤兼人監督の映画、今こそこの時代を乗り越えるために注目されるべきと考える。
【2010年11月5日(金)】
当初にNHK9と表記していましたが、NHKニュースウォッチ9の間違いでした。重ねてお詫びを申し上げます。
|ホーム|