消費増税に関する一考
~政治の信頼回復を目指して~
-最終更新日: 2012年6月28日 (木) -
長らくこのカテゴリで記事を書かなかった。集団ストーカー問題の政治的解決を目指しているため、特定の政治スタンスを主張することが躊躇われたからである。それでも、現在進行中の消費増税の政治劇については言及せざるを得ない。日本の将来を左右する問題だからである。
私は、昨今の与野党合意は素晴らしい政治的決断だと思う。それは以下の点に集約される。
①与野党の政治的対立の先鋭化を避けた点
②国民に反対が多い中での政治的決断
③二大政党制の基本ともいうべき重大政治テーマの共有
まず①であるが、二大政党制下に置いてはややもすると政治的対立が激化する。それでは、ねじれ国会のもとでは党利党略によって政治決断が阻まれる。その結果生まれるのが国民の政治不信である。昨今、この傾向がきわめて強く、無党派層が増大したのがそれを物語っていた。この安易な先鋭化の傾向を避けた点である。これは自民党が瀬戸際になって賢い決断をしたと言わざるを得ない。政権交代前の民主党にはできなかったことである。
そして、②に関しても言うまでもない。消費増税は生活にすぐに影響が出る施策であり、一般的には増税が間近になったら反対が増大すると言われている。昨今でもその傾向が強く、国民に反対が多い中での政治的決断である。私は、日本は財政再建に猶予がないと思っている。ムーディーズなどの格付け会社は、日本に消費増税の余地がある点から現在の格付けを維持できているとしている。先送りできない課題として与野党が一致したのは賢明な判断であると言わざるを得ない。
そして、③である。これは、自民党が国民会議を提唱したのが大きい。後期高齢者医療の廃止や最低保障年金の見直しが民主党にできない中にあって、国民の有識者によるこの会議を提唱することによって、二大政党制下における重大政治テーマの共有の道を開いた点である。そして、私はこの綱渡りの交渉を行ってきた野田首相に敬意を表したい。一度もミスが許されない中で、信念を貫いたのである。実は、このことについては日本より海外の方が評価が高い。日本にとって歴史的な判断を成し遂げつつあるのである。
一般に、財政再建を果たすにはスタンスは二通りある。財政規律派と上げ潮派である。前者は増税や緊縮財政による再建を目指すスタンスであり、後者は景気増進の税収入増によって再建を目指すスタンスである。今回はこの増税がやむなしということで与野党が合意したわけであるが、本来民主党がマニフェストに掲載していなかったことである。消費増税反対派の言い分も、その点からは正しい判断をしているわけで、信念を貫く行為である。これはやむを得ないと私は考える。
参院の法案通過まで緊張感のある駆け引きは続くだろう。野田首相には最後までやり抜いてほしい。それは、必ず二大政党制下における自民党・民主党の信頼回復につながるはずである。政治から目が離せない日々が続きそうである。
-最終更新日: 2012年6月28日 (木) -
長らくこのカテゴリで記事を書かなかった。集団ストーカー問題の政治的解決を目指しているため、特定の政治スタンスを主張することが躊躇われたからである。それでも、現在進行中の消費増税の政治劇については言及せざるを得ない。日本の将来を左右する問題だからである。
私は、昨今の与野党合意は素晴らしい政治的決断だと思う。それは以下の点に集約される。
①与野党の政治的対立の先鋭化を避けた点
②国民に反対が多い中での政治的決断
③二大政党制の基本ともいうべき重大政治テーマの共有
まず①であるが、二大政党制下に置いてはややもすると政治的対立が激化する。それでは、ねじれ国会のもとでは党利党略によって政治決断が阻まれる。その結果生まれるのが国民の政治不信である。昨今、この傾向がきわめて強く、無党派層が増大したのがそれを物語っていた。この安易な先鋭化の傾向を避けた点である。これは自民党が瀬戸際になって賢い決断をしたと言わざるを得ない。政権交代前の民主党にはできなかったことである。
そして、②に関しても言うまでもない。消費増税は生活にすぐに影響が出る施策であり、一般的には増税が間近になったら反対が増大すると言われている。昨今でもその傾向が強く、国民に反対が多い中での政治的決断である。私は、日本は財政再建に猶予がないと思っている。ムーディーズなどの格付け会社は、日本に消費増税の余地がある点から現在の格付けを維持できているとしている。先送りできない課題として与野党が一致したのは賢明な判断であると言わざるを得ない。
そして、③である。これは、自民党が国民会議を提唱したのが大きい。後期高齢者医療の廃止や最低保障年金の見直しが民主党にできない中にあって、国民の有識者によるこの会議を提唱することによって、二大政党制下における重大政治テーマの共有の道を開いた点である。そして、私はこの綱渡りの交渉を行ってきた野田首相に敬意を表したい。一度もミスが許されない中で、信念を貫いたのである。実は、このことについては日本より海外の方が評価が高い。日本にとって歴史的な判断を成し遂げつつあるのである。
一般に、財政再建を果たすにはスタンスは二通りある。財政規律派と上げ潮派である。前者は増税や緊縮財政による再建を目指すスタンスであり、後者は景気増進の税収入増によって再建を目指すスタンスである。今回はこの増税がやむなしということで与野党が合意したわけであるが、本来民主党がマニフェストに掲載していなかったことである。消費増税反対派の言い分も、その点からは正しい判断をしているわけで、信念を貫く行為である。これはやむを得ないと私は考える。
参院の法案通過まで緊張感のある駆け引きは続くだろう。野田首相には最後までやり抜いてほしい。それは、必ず二大政党制下における自民党・民主党の信頼回復につながるはずである。政治から目が離せない日々が続きそうである。
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