グスタフ・マーラー 交響曲第2番 「復活」
小沢征爾さんとズービン・メータ氏の演奏から考える
-最終更新日:2010年9月6日(月)-
前回の記事で、グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860年7月7日 - 1911年5月18日)の交響曲第2番を引用しました。ここでは、長文は控えて、クラウス・テンシュテット以外の指揮者によるこの曲の名演をとりあげたいと思います。
ズービン・メータ(Zubin Mehta, 1936年4月29日 - )
これは、インドを代表する指揮者であるメータ氏が1975年にウィーンフィルで演奏したものです。同曲の歴史的な名演として高く評価されています。
メータ氏のコンサートは、父と一回だけ行きました。めったに日本で聞けないような豪快な演奏だったのを覚えています。(ある地方で聞きましたが、別の地域では別の曲目も演奏されていました。東京だと「新世界」が演奏されていたのをパンフレットを読んで覚えています。日本の各地で演奏されたすべての演奏を聞きたいくらいでした。)
メータ氏は現在存命の指揮者の中では世界最高の指揮者という評価がされることもあるくらいの指揮者です。
小沢 征爾(おざわ せいじ、1935年9月1日 - )
おなじみの小沢征爾さんによるマーラーの2番です。いわゆるクラオタと呼ばれるクラシックマニアの人は、同じ曲でも複数の指揮者の演奏を買いあさります。自分も例外ではありません。クラシックは二度と同じ演奏が行われません。あるときに名演があっても、二度と同じ演奏ができないからです。
自分は、これまでにクラウス・テンシュテットと上のズービン・メータ氏のマーラー2番をピックアップしてきました。この2曲は世界中で評されている最高レベルの演奏です。実は、小沢さんのこの2番も、それに勝るとも劣らない演奏だと自分は感じています。1986年、ボストン交響楽団による演奏です。
今日の読売新聞の朝刊で、その小沢さんの記事がありました。75歳になって食道がんを克服された後の初演奏が行われたという内容です。少しだけ引用させてもらいたいと思います。(続きは買って読んでください。)
「世界のオザワ 復活のタクト」本日9月6日読売新聞朝刊
初期の食堂がんを克服した世界的指揮者の小沢征爾さん(75)が5日、長野県松本市の県松本文化会館で開かれている音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」のコンサートに出演、約9ヶ月ぶりにオーケストラを指揮した(中略)
続く武満徹「ノヴェンバー・フェスティバル」とベルリオーズ「幻想交響曲」は、小沢さんに代わり、読売日本交響楽団製指揮者の下野竜也さん(40)が指揮した。
DECCAが、小沢さんの生誕75年を記念してアニバーサリーアルバムを発売しています。これを末尾にご紹介したいと思います。(このアルバムにはここで述べたマーラー交響曲2番「復活」、そしてこのブログで過去に紹介した「秋庭歌一具」を作曲された、武満徹氏の代表作である「セレモニアル」なども収録されています。注1)
⇒ サイトウ・キネン・フェスティバル松本の公式ホームページはこちら
⇒ YOMIURI ONLINEへのリンクはこちら
⇒ この記事で取りあげた武満徹氏「秋庭歌一具」の記事はこちら
このブログで取り上げている問題も、歴史のページがめくられる日が来ることを願ってやみません。
注1)この小沢征爾さんのアニバーサリーアルバムの中に、武満徹氏の「ノヴェンバー・フェスティバル」が収録されていると当初掲載しましたが、正しくは「セレモニアル」の間違いでした。このアルバムには11枚のCDで構成されていますが、正しい武満徹氏の曲の構成は以下の通りです。
武満徹:作品集(CD3)
1.セレモニアル
2.系図(英語版)
3.マイ・ウェイ・オブ・ライフ
4.弦楽のためのレクイエム
5.エア(フルートのための)
「セレモニアル」は日本の雅楽と西洋クラシックを融合させた音楽です。日本人の感性に強く訴えかけます。ぜひ一度、ここを訪れた皆さんにも聞いていただきたいおすすめの曲です。
【2010年9月23日(木)追記】
この日の読売新聞の1面に「気迫の指揮『復活』の7分間」とあります。小沢征爾さんが、長野県松本市で行われている「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で再び指揮棒を振ったという内容の記事が29面に掲載されています。嬉しい内容なので、すぐ記事に追加させていただきます。
上記のDVDを自分は持っているのですが、通常音楽というのはCDで聴くものです。しかし、クラシックの場合はDVDで見たほうが迫力がある場合があります。歌劇やオペラなら当然でしょう。ただし、交響曲などでも、指揮者の表情を目の当たりにすることができます。
このDVDは小沢征爾さんがボストン響主任指揮者に在任中のときの演奏ですが、演奏内容もさることながら、小沢さんの表情をドアップで見ることができます。はっきりいって、こんなに険しい表情で演奏される方とは思っていませんでした。音楽のリズムに乗せて恍惚の表情を浮かべたり、楽団に対して厳しい目線を配ったり、様々な表情を読み取ることができます。そして、演奏の最後のほうには汗が滴り落ちています。これはもう、気迫の演奏としか言いようがないです。
ちなみに演奏内容はベートーヴェンの7番とマーラーの9番ですが、これはどちらも相当の名演だと思いました。7番は、自分はC・クライバーとカラヤンばかり聞くのですが、この7番も何回も聴きたくなるほど迫力があります。また、マーラーの9番は、恐らく小沢さんのボストン響最後の演奏なのでしょう。楽団の方が、最高の演奏を小沢さんに捧げているのが分かります。
ちなみに、Jポップもそうですしクラシックもそうなのですが、ライブでは、当初予定していた演奏を超えた内容になることが多いです。観客が熱狂を欲するあまり、指揮者が統制をかなぐり捨てて爆演をすることが多いからです。歴史的な名演はすべてそうだと思います。C・クライバーのベートーヴェン7番も、楽団と指揮者の信頼関係が想定を超えた爆演を生み出しています。ベートーヴェン7番は日本では「のだめカンタービレ」で演奏機会が多くなった曲目です。よかったら一度聴かれてみてはいかがでしょうか。
また、マーラー2番「復活」と6番「悲劇的」はこれまでとりあげてきましたが、9番も同作曲家の最高傑作です。歴史的な祭典によく演奏されます。マーラーが死を覚悟して作曲した曲だからです。ベートーヴェンも、ドヴォルザークなど主要な作曲家が9番で最高傑作を作った後に亡くなっているからです。ベートーヴェンの9番は歓喜の歌と呼ばれる第4楽章を含む「合唱付き」、ドヴォルザークの9番は「遠き山に日は落ちて」が第2楽章にある「新世界」です。作曲家にとって、これらの最高傑作を作った後に亡くなっているというのは、交響曲9番には死のジンクスがあるということでしょうか。小沢さんがボストン響で最後にこの曲を演奏されたのも、このような意味合いがあるのでしょう。
自分の趣味を書きつづって申し訳ないのですが、何にせよ、日本が世界に誇る演奏家の「復活」はこれほど嬉しいことはありません。一人でも多くの方が小沢さんの過去の演奏を聞いていただけたらなと思います。
長文失礼致しました。
小澤征爾さん、ウィーンフィルの「名誉団員」へ (2010年11月3日追記)
11月2日の午後にこのニュースが流れて筆者は驚いた。ウィーンフィル168年の歴史手で歴史上50人しか選ばれていない中に入ったのである。これほどの快挙はない。小澤氏も「仲間から贈られた、というのが、どんな勲章よりもとにかくうれしい」と感極まった涙を浮かべたと本日の読売新聞にある。筆者も思わず目がしらが熱くなるのを感じた。
このCDは最近発売された小澤さんのCD集である。自分はこれが氏のなかで一番のお気に入りである。クラシックの初心者でもまんべんなく様々な音楽に触れることができるからである。
聞いてみると、世界の一流の演奏と肩を並べるものが多数ある。筆者のおすすめを一つ挙げよう。一つはホルストの惑星「ジュピター」である。これを聞いたときに驚いたのだが、アメリカの最高の指揮者の一人、レナード・バーンスタイン氏の演奏を髣髴とさせるものだったのである。平原綾香さんも歌っている「ジュピター」であるが、このサビの部分がアダージョと呼べるくらい悠長な重厚感ある演奏なのである。私はこのジュピターが一番好きである。
また、最後から2曲目がアメリカ合衆国の「国の公式行進曲」に制定されている「星条旗よ永遠なれ」であるあたりがボストン響に在任された時代のオマージュを感じさせるのである。さらに最後がJ.シュトラウスⅠ世のラデツキー行進曲であるのはウィーンフィルへのオマージュだろう。どちらも大衆的な合奏の最後に演奏される曲として親しまれている曲である。(2010年11月10日追記)
上記のCDは若き頃のバーンスタイン氏の「新世界」である。筆者はこれを超えるものにまだ出会ったことがない。ロック調とも呼べる大胆な演奏であり、後世のどの指揮者もこの演奏を真似ることができていないはずだ。同じように苛烈さという意味において素晴らしい演奏と言えば下のケルテス版くらいだろうか。
小澤さんの快挙が嬉しくてついお気に入りCDを紹介したが、このバーンスタインの「新世界」など1962年の演奏である。若いころの同氏の気鋭の演奏というわけだ。クラシックには過去の演奏の方が録音の状態を含めてはるかに満足できるものが多い。これも歴史と伝統のなせる技だろう。多くの方に入門用としてこの小澤さんのCDを聞いていただきたいのである。
-最終更新日:2010年9月6日(月)-
前回の記事で、グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860年7月7日 - 1911年5月18日)の交響曲第2番を引用しました。ここでは、長文は控えて、クラウス・テンシュテット以外の指揮者によるこの曲の名演をとりあげたいと思います。
ズービン・メータ(Zubin Mehta, 1936年4月29日 - )
これは、インドを代表する指揮者であるメータ氏が1975年にウィーンフィルで演奏したものです。同曲の歴史的な名演として高く評価されています。
メータ氏のコンサートは、父と一回だけ行きました。めったに日本で聞けないような豪快な演奏だったのを覚えています。(ある地方で聞きましたが、別の地域では別の曲目も演奏されていました。東京だと「新世界」が演奏されていたのをパンフレットを読んで覚えています。日本の各地で演奏されたすべての演奏を聞きたいくらいでした。)
メータ氏は現在存命の指揮者の中では世界最高の指揮者という評価がされることもあるくらいの指揮者です。
![]() | マーラー:交響曲第2番《復活》 (2009/10/21) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 メータ(ズービン)コトルバス(イレアナ) 商品詳細を見る |
小沢 征爾(おざわ せいじ、1935年9月1日 - )
おなじみの小沢征爾さんによるマーラーの2番です。いわゆるクラオタと呼ばれるクラシックマニアの人は、同じ曲でも複数の指揮者の演奏を買いあさります。自分も例外ではありません。クラシックは二度と同じ演奏が行われません。あるときに名演があっても、二度と同じ演奏ができないからです。
自分は、これまでにクラウス・テンシュテットと上のズービン・メータ氏のマーラー2番をピックアップしてきました。この2曲は世界中で評されている最高レベルの演奏です。実は、小沢さんのこの2番も、それに勝るとも劣らない演奏だと自分は感じています。1986年、ボストン交響楽団による演奏です。
今日の読売新聞の朝刊で、その小沢さんの記事がありました。75歳になって食道がんを克服された後の初演奏が行われたという内容です。少しだけ引用させてもらいたいと思います。(続きは買って読んでください。)
「世界のオザワ 復活のタクト」本日9月6日読売新聞朝刊
初期の食堂がんを克服した世界的指揮者の小沢征爾さん(75)が5日、長野県松本市の県松本文化会館で開かれている音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」のコンサートに出演、約9ヶ月ぶりにオーケストラを指揮した(中略)
続く武満徹「ノヴェンバー・フェスティバル」とベルリオーズ「幻想交響曲」は、小沢さんに代わり、読売日本交響楽団製指揮者の下野竜也さん(40)が指揮した。
DECCAが、小沢さんの生誕75年を記念してアニバーサリーアルバムを発売しています。これを末尾にご紹介したいと思います。(このアルバムにはここで述べたマーラー交響曲2番「復活」、そしてこのブログで過去に紹介した「秋庭歌一具」を作曲された、武満徹氏の代表作である「セレモニアル」なども収録されています。注1)
![]() | Anniversary (2010/09/14) Seiji Ozawa 商品詳細を見る |
⇒ サイトウ・キネン・フェスティバル松本の公式ホームページはこちら
⇒ YOMIURI ONLINEへのリンクはこちら
⇒ この記事で取りあげた武満徹氏「秋庭歌一具」の記事はこちら
このブログで取り上げている問題も、歴史のページがめくられる日が来ることを願ってやみません。
注1)この小沢征爾さんのアニバーサリーアルバムの中に、武満徹氏の「ノヴェンバー・フェスティバル」が収録されていると当初掲載しましたが、正しくは「セレモニアル」の間違いでした。このアルバムには11枚のCDで構成されていますが、正しい武満徹氏の曲の構成は以下の通りです。
武満徹:作品集(CD3)
1.セレモニアル
2.系図(英語版)
3.マイ・ウェイ・オブ・ライフ
4.弦楽のためのレクイエム
5.エア(フルートのための)
「セレモニアル」は日本の雅楽と西洋クラシックを融合させた音楽です。日本人の感性に強く訴えかけます。ぜひ一度、ここを訪れた皆さんにも聞いていただきたいおすすめの曲です。
【2010年9月23日(木)追記】
この日の読売新聞の1面に「気迫の指揮『復活』の7分間」とあります。小沢征爾さんが、長野県松本市で行われている「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で再び指揮棒を振ったという内容の記事が29面に掲載されています。嬉しい内容なので、すぐ記事に追加させていただきます。
![]() | NHKクラシカル 小澤征爾 ボストン交響楽団 ベートーベン「交響曲 第7番」 マーラー「交響曲 第9番」 [DVD] (2010/08/27) 小澤征爾ボストン交響楽団 商品詳細を見る |
上記のDVDを自分は持っているのですが、通常音楽というのはCDで聴くものです。しかし、クラシックの場合はDVDで見たほうが迫力がある場合があります。歌劇やオペラなら当然でしょう。ただし、交響曲などでも、指揮者の表情を目の当たりにすることができます。
このDVDは小沢征爾さんがボストン響主任指揮者に在任中のときの演奏ですが、演奏内容もさることながら、小沢さんの表情をドアップで見ることができます。はっきりいって、こんなに険しい表情で演奏される方とは思っていませんでした。音楽のリズムに乗せて恍惚の表情を浮かべたり、楽団に対して厳しい目線を配ったり、様々な表情を読み取ることができます。そして、演奏の最後のほうには汗が滴り落ちています。これはもう、気迫の演奏としか言いようがないです。
ちなみに演奏内容はベートーヴェンの7番とマーラーの9番ですが、これはどちらも相当の名演だと思いました。7番は、自分はC・クライバーとカラヤンばかり聞くのですが、この7番も何回も聴きたくなるほど迫力があります。また、マーラーの9番は、恐らく小沢さんのボストン響最後の演奏なのでしょう。楽団の方が、最高の演奏を小沢さんに捧げているのが分かります。
ちなみに、Jポップもそうですしクラシックもそうなのですが、ライブでは、当初予定していた演奏を超えた内容になることが多いです。観客が熱狂を欲するあまり、指揮者が統制をかなぐり捨てて爆演をすることが多いからです。歴史的な名演はすべてそうだと思います。C・クライバーのベートーヴェン7番も、楽団と指揮者の信頼関係が想定を超えた爆演を生み出しています。ベートーヴェン7番は日本では「のだめカンタービレ」で演奏機会が多くなった曲目です。よかったら一度聴かれてみてはいかがでしょうか。
また、マーラー2番「復活」と6番「悲劇的」はこれまでとりあげてきましたが、9番も同作曲家の最高傑作です。歴史的な祭典によく演奏されます。マーラーが死を覚悟して作曲した曲だからです。ベートーヴェンも、ドヴォルザークなど主要な作曲家が9番で最高傑作を作った後に亡くなっているからです。ベートーヴェンの9番は歓喜の歌と呼ばれる第4楽章を含む「合唱付き」、ドヴォルザークの9番は「遠き山に日は落ちて」が第2楽章にある「新世界」です。作曲家にとって、これらの最高傑作を作った後に亡くなっているというのは、交響曲9番には死のジンクスがあるということでしょうか。小沢さんがボストン響で最後にこの曲を演奏されたのも、このような意味合いがあるのでしょう。
自分の趣味を書きつづって申し訳ないのですが、何にせよ、日本が世界に誇る演奏家の「復活」はこれほど嬉しいことはありません。一人でも多くの方が小沢さんの過去の演奏を聞いていただけたらなと思います。
長文失礼致しました。
小澤征爾さん、ウィーンフィルの「名誉団員」へ (2010年11月3日追記)
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11月2日の午後にこのニュースが流れて筆者は驚いた。ウィーンフィル168年の歴史手で歴史上50人しか選ばれていない中に入ったのである。これほどの快挙はない。小澤氏も「仲間から贈られた、というのが、どんな勲章よりもとにかくうれしい」と感極まった涙を浮かべたと本日の読売新聞にある。筆者も思わず目がしらが熱くなるのを感じた。
このCDは最近発売された小澤さんのCD集である。自分はこれが氏のなかで一番のお気に入りである。クラシックの初心者でもまんべんなく様々な音楽に触れることができるからである。
聞いてみると、世界の一流の演奏と肩を並べるものが多数ある。筆者のおすすめを一つ挙げよう。一つはホルストの惑星「ジュピター」である。これを聞いたときに驚いたのだが、アメリカの最高の指揮者の一人、レナード・バーンスタイン氏の演奏を髣髴とさせるものだったのである。平原綾香さんも歌っている「ジュピター」であるが、このサビの部分がアダージョと呼べるくらい悠長な重厚感ある演奏なのである。私はこのジュピターが一番好きである。
また、最後から2曲目がアメリカ合衆国の「国の公式行進曲」に制定されている「星条旗よ永遠なれ」であるあたりがボストン響に在任された時代のオマージュを感じさせるのである。さらに最後がJ.シュトラウスⅠ世のラデツキー行進曲であるのはウィーンフィルへのオマージュだろう。どちらも大衆的な合奏の最後に演奏される曲として親しまれている曲である。(2010年11月10日追記)
![]() | ドヴォルザーク:交響曲第9番 (2004/11/17) バーンスタイン(レナード) 商品詳細を見る |
![]() | ドヴォルザーク:交響曲第9番 (2001/04/25) ケルテス(イシュトヴァーン) 商品詳細を見る |
上記のCDは若き頃のバーンスタイン氏の「新世界」である。筆者はこれを超えるものにまだ出会ったことがない。ロック調とも呼べる大胆な演奏であり、後世のどの指揮者もこの演奏を真似ることができていないはずだ。同じように苛烈さという意味において素晴らしい演奏と言えば下のケルテス版くらいだろうか。
小澤さんの快挙が嬉しくてついお気に入りCDを紹介したが、このバーンスタインの「新世界」など1962年の演奏である。若いころの同氏の気鋭の演奏というわけだ。クラシックには過去の演奏の方が録音の状態を含めてはるかに満足できるものが多い。これも歴史と伝統のなせる技だろう。多くの方に入門用としてこの小澤さんのCDを聞いていただきたいのである。
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