新藤兼人監督「原爆の子」
監督:新藤兼人
出演:乙羽信子 細川ちか子 清水将夫 滝沢修 ほか(1952年 日本)
-最終更新日:2010年11月1日(月)-
昨日、新藤兼人監督の「一枚のハガキ」が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。これに触発され、手元に監督の名作「原爆の子」のDVDがあるので、記事を書かせて頂くことにした。
新藤兼人監督は、以前NHKニュースウォッチ9で特集を組まれていたのを見た覚えがある。100歳近くまで映画監督を続けられ、さまざまな名作を生み出してきたことに対するものだろう。その時の番組では、この「原爆の子」が紹介されていたのを覚えている。今年の5月か、6月ごろの番組だったろうか。大越キャスターと青山キャスターが報じたのを覚えている。ニュースでは、戦後の原爆に対するタブーが強く、それを押して公開したものであると紹介されていた。
今、この映画を見ながら記事を書いているが、モノクロながら登場人物が非常に生きいきと演じているのがわかる。当時は、黒澤明監督や小津安二郎監督が戦後の社会を牽引するように映画を撮影していた。新藤監督もその一人である。自分は日本にいながら情けないことに日本映画の古典をあまり見ていない。以後はこれらに対する挑戦も課題になってくるだろう。
この映画の原爆投下のシーンに差し掛かったが、凄まじい描写である。VFXとかそういうのではなく、当時の撮影技術でこれだけ胸に突き刺さるような描写はなかなかできない。本当に渾身の力を込めて撮影したのが素人でもわかる。一体、当時どれだけの人がこれを見たのだろうか。原爆被害者の方々の二次差別は酷かったと聞く。そのために、この映画は光のようなものだったのだろう。
自分みたいな戦争の苦労を知らない人間が論じるにはあまりにも筆の力が不足している。戦前から日本の姿をその目で見てこられた新藤兼人監督の映画、今こそこの時代を乗り越えるために注目されるべきと考える。
【2010年11月5日(金)】
当初にNHK9と表記していましたが、NHKニュースウォッチ9の間違いでした。重ねてお詫びを申し上げます。
出演:乙羽信子 細川ちか子 清水将夫 滝沢修 ほか(1952年 日本)
-最終更新日:2010年11月1日(月)-
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昨日、新藤兼人監督の「一枚のハガキ」が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。これに触発され、手元に監督の名作「原爆の子」のDVDがあるので、記事を書かせて頂くことにした。
新藤兼人監督は、以前NHKニュースウォッチ9で特集を組まれていたのを見た覚えがある。100歳近くまで映画監督を続けられ、さまざまな名作を生み出してきたことに対するものだろう。その時の番組では、この「原爆の子」が紹介されていたのを覚えている。今年の5月か、6月ごろの番組だったろうか。大越キャスターと青山キャスターが報じたのを覚えている。ニュースでは、戦後の原爆に対するタブーが強く、それを押して公開したものであると紹介されていた。
今、この映画を見ながら記事を書いているが、モノクロながら登場人物が非常に生きいきと演じているのがわかる。当時は、黒澤明監督や小津安二郎監督が戦後の社会を牽引するように映画を撮影していた。新藤監督もその一人である。自分は日本にいながら情けないことに日本映画の古典をあまり見ていない。以後はこれらに対する挑戦も課題になってくるだろう。
この映画の原爆投下のシーンに差し掛かったが、凄まじい描写である。VFXとかそういうのではなく、当時の撮影技術でこれだけ胸に突き刺さるような描写はなかなかできない。本当に渾身の力を込めて撮影したのが素人でもわかる。一体、当時どれだけの人がこれを見たのだろうか。原爆被害者の方々の二次差別は酷かったと聞く。そのために、この映画は光のようなものだったのだろう。
自分みたいな戦争の苦労を知らない人間が論じるにはあまりにも筆の力が不足している。戦前から日本の姿をその目で見てこられた新藤兼人監督の映画、今こそこの時代を乗り越えるために注目されるべきと考える。
【2010年11月5日(金)】
当初にNHK9と表記していましたが、NHKニュースウォッチ9の間違いでした。重ねてお詫びを申し上げます。
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