復興増税の償還期間について
~二大政党制の緊張感により政治レベルを高めなければならない日本~
-最終更新日: 2011年10月23日 (日) -
現在、日曜討論が放送されている。日曜討論はあらゆる政治討論番組の中でもその中立性が群を抜いている。各政党の政策を正しくビジュアルで知るには絶好の番組である。司会者、島田氏の手腕も高い。
本日の冒頭に放送されているのは復興増税の償還期間について。この問題ひとつをとっても様々な議論があるのである。まず、民主党が償還期間を現役世代で償還可能な15年~20年程度を見ている。しかし、野党がそれに難色を示している。これについて皆さんはどのように思われるだろうか。
政治にはこのような側面がある。増税をすれば民衆の心が離れる。したがって増税を唱えることができない。これが自民党が財政赤字を膨らました最大の原因であり、一方で政権交代が行われた後も民主党はさほど財政圧縮に成功していない。これでは永遠に財政再建が行われないことになってしまう。
最近でこそ、自民党が党の公約に消費税増税をうたい、民主党も税と社会保障の一体改革で2010年代半ばまでに10%への引き上げることを明示した。そして、民主党は次期衆議院選挙で消費税増税の是非を問うこととしている。ここに来て、財政再建は待ったなしの問題として共通認識が得られている。一般市民のほうも賢いもので、消費税増税をうたったからといって安易に支持率を下げる傾向はひかえている。これこそが日本の政治のレベルアップと呼べるものである。
では、復興増税の償還はどのようにするのがもっとも正しいだろうか。私としては、前回TPPについて説明したときに申し上げたように、持続可能な財政再建が行われる中での償還でなければならない。その中でも、やはり将来世代に負担を残さない範囲が望ましいと考えている。しかし、償還不可能なまで経済成長が落ち込んでの財政破綻が、現在問題になっているギリシャ発端の金融危機である。民主党がかなり切り詰めた償還期間を考えている中で、自民党の意見もかなり耳を傾けなければならない部分があるのではないだろうか。
政治の質は民衆の政治参加の質に比例すると言われている。政権交代まで民衆は自民党一党主義に頼りすぎてこういった関心が低かったといわざるを得ない。しかし、政権交代後に混迷する政局を見てようやく政治参加の質を高めようとしている。これからの党運営は自民党も民主党も一筋縄ではいかないだろう。この政治的緊張感の中で庶民に選ばれる現実的な政策を打ち上げることができるかが両党の命運にかかってくる。そして、これこそが健全な二大政党制に他ならない。
私は、これからの日本に期待している。民衆の政治的関心、政治参加のレベルアップの傾向があちこちに見られるようになっているからだ。そして、二大政党制の文化と慣例をいち早く作ることが日本の政治レベルの向上に繋がると考えている。ブログ読者の皆さんも、政治を観察するにあたってこの点に注目していてほしい。
-最終更新日: 2011年10月23日 (日) -
現在、日曜討論が放送されている。日曜討論はあらゆる政治討論番組の中でもその中立性が群を抜いている。各政党の政策を正しくビジュアルで知るには絶好の番組である。司会者、島田氏の手腕も高い。
本日の冒頭に放送されているのは復興増税の償還期間について。この問題ひとつをとっても様々な議論があるのである。まず、民主党が償還期間を現役世代で償還可能な15年~20年程度を見ている。しかし、野党がそれに難色を示している。これについて皆さんはどのように思われるだろうか。
政治にはこのような側面がある。増税をすれば民衆の心が離れる。したがって増税を唱えることができない。これが自民党が財政赤字を膨らました最大の原因であり、一方で政権交代が行われた後も民主党はさほど財政圧縮に成功していない。これでは永遠に財政再建が行われないことになってしまう。
最近でこそ、自民党が党の公約に消費税増税をうたい、民主党も税と社会保障の一体改革で2010年代半ばまでに10%への引き上げることを明示した。そして、民主党は次期衆議院選挙で消費税増税の是非を問うこととしている。ここに来て、財政再建は待ったなしの問題として共通認識が得られている。一般市民のほうも賢いもので、消費税増税をうたったからといって安易に支持率を下げる傾向はひかえている。これこそが日本の政治のレベルアップと呼べるものである。
では、復興増税の償還はどのようにするのがもっとも正しいだろうか。私としては、前回TPPについて説明したときに申し上げたように、持続可能な財政再建が行われる中での償還でなければならない。その中でも、やはり将来世代に負担を残さない範囲が望ましいと考えている。しかし、償還不可能なまで経済成長が落ち込んでの財政破綻が、現在問題になっているギリシャ発端の金融危機である。民主党がかなり切り詰めた償還期間を考えている中で、自民党の意見もかなり耳を傾けなければならない部分があるのではないだろうか。
政治の質は民衆の政治参加の質に比例すると言われている。政権交代まで民衆は自民党一党主義に頼りすぎてこういった関心が低かったといわざるを得ない。しかし、政権交代後に混迷する政局を見てようやく政治参加の質を高めようとしている。これからの党運営は自民党も民主党も一筋縄ではいかないだろう。この政治的緊張感の中で庶民に選ばれる現実的な政策を打ち上げることができるかが両党の命運にかかってくる。そして、これこそが健全な二大政党制に他ならない。
私は、これからの日本に期待している。民衆の政治的関心、政治参加のレベルアップの傾向があちこちに見られるようになっているからだ。そして、二大政党制の文化と慣例をいち早く作ることが日本の政治レベルの向上に繋がると考えている。ブログ読者の皆さんも、政治を観察するにあたってこの点に注目していてほしい。
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